新型コロナウイルス感染予防のため8月17日からオンライン形式で開催される、コンピュータグラフィックスとインタラクティブ技術に関する国際会議「SIGGRAPH 2020」のTechnical Papers部門において、「プロメテックCGリサーチ」(所長:西田友是東京大学名誉教授)のメンバーが論文を発表いたします(発表日は8月27日)。 なお、この論文はコンピュータグラフィックス分野のJournal 「Transactions on Graphics (TOG)」に採録されたものを、本年発表するものです。 今回採録された論文は、プロメテックCGリサーチの研究員 岩崎 慶、副所長 土橋 宜典らによる“Resampling-aware Weighting Functions for Bidirectional Path Tracing using Multiple Light Sub-Paths”です。 この論文では、写実的な画像生成(レンダリング)手法の一つである双方向パストレーシング(BPT)の画質を大幅に改善する手法について述べます。複数の光源側経路を用いたBPTにおける効率的な「重み関数」を導出し、同時間レンダリングにおいて画質を2倍以上改善しています。 TOGは、コンピュータグラフィックス分野において最も権威のあるJournalで、104あるコンピュータサイエンスのソフトウェアエンジニアリング部門のJournalにおいてランキングトップに位置しています。 昨年に引き続き、プロメテックCGリサーチのメンバーによる論文がTOGに採録されたことは、当研究所の取り組みがCGの進化に貢献する最先端の技術として高く評価されたことを意味します。当社は、CG研究の豊富な蓄積のもと、今後も継続して先端的なシミュレーションやAIの技術と融合し、新しい時代のCG技術を生み出します。また、学術界と産業界の架け橋となり、日本のCG業界をリードし貢献できるよう挑戦を続けてまいります。 ※プロメテックCGリサーチの最新の取り組み内容についてはパンフレットをご参照下さい。 K. Nabata, K. Iwasaki, Y. Dobashi “Resampling-aware Weighting Functions for Bidirectional Path Tracing using Multiple Light Sub-Paths” ACM Trans. on Graphics (To be presented at SIGGRAPH 2020)Article No.15 ■SIGGRAPH2020 発表Q&A日時:8月27日(木) 13:00~13:30 (Pacific Time Zone: UTC/GMT-7) SIGGRAPH2020 Technical Papersプログラム: https://s2020.siggraph.org/conference/program-events/technical-papers/ SIGGRAPH2020サイト内 発表概要ページ: https://s2020.siggraph.org/presentation/?id=paperstog_112&sess=sess140 プロジェクトページ: http://www.wakayama-u.ac.jp/~iwasaki/project/risbpt/ ACM Digital Libraryのページ: https://dl.acm.org/doi/10.1145/3338994 プロメテックCGリサーチについて(https://www.prometech.co.jp/cgresearch.html)
プロメテックが所管するコンピュータグラフィックス研究所「プロメテックCGリサーチ」は、コンピュータグラフィックスの研究開発、新たなコンテンツ・サービス等の開発を進める研究機関です。プロメテックはこれまでも、「Computational Reality -計算科学でつくるよりよい未来」をビジョンとして、シミュレーション技術を中心に、CGやAIといった関連分野においても様々な新しい技術の開発に取り組んでまいりました。「プロメテックCGリサーチ」の所長である西田友是氏は、CG界のノーベル賞とも呼ばれているスティーブン・A・クーンズ賞(The Steven A. Coons Award)をアジアで唯一の受賞した研究者です。西田氏が考案した「ラジオシティ法」は、今や全てのコンピュータグラフィックス作品やゲームソフトに用いられる基盤技術となっています。今後も豊富な経験を背景として、精力的な研究活動を続けてまいります。 プロメテックCGリサーチに関する詳しい情報については、以下のWebサイトをご覧ください。 URL: https://www.prometech.co.jp/cgresearch.html 所長 西田友是氏の略歴 1949年広島県生まれ。1998年から東京大学教授(2013年3月に定年退官し、その後名誉教授)。1970年からコンピュータグラフィックスの研究を始め、隠線消去、隠面消去、陰影表示などを研究。光の相互反射を計算してリアルな半影を描写する「ラジオシティ法」の考案者であり、その後も精力的な研究活動を続け、 2005年にSIGGRAPHのスティーブン・A・クーンズ賞、2006年にNICOGRAPHのCG-Japan Awardを受賞しました。こうした功績を記念して2006年に、画像電子学会において、CG関連の優秀論文の著者に与えられる「西田賞」が創設されました。なお、2005年よりプロメテックの技術顧問として事業運営に助言いただいています。 Comments are closed.
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